大津皇子(おほつのみこ) 巻02-0107・石川郎女(いしかはのいらつめ) 巻02-0108
   大津皇子の石川郎女(いしかはのいらつめ)に贈れる御歌
  あしひきの 山のしづくに 妹(いも)待つと
  わが立ち濡れし 山のしづくに
   石川郎女(いしかはのいらつめ)の和(こた)へ奉れる歌
  吾(あ)を待つと 君が濡れけむ あしひきの
  山のしづくに 成らましものを
口訳   あなたを待って立ち続け、山の木々から落ちてくるしずくに濡れてしまいましたよ。

  わたくしを待っていてあなたが濡れた、山のしづくになれたらいいのに…
原文    大津皇子贈石川郎女御歌
  足日木乃 山之四付二 妹待跡 吾立所沾 山之四附二
     石川郎女奉和歌
  吾乎待跡 君之沾計武 足日木能 山之四附二 成益物乎
  
場所  葛城市當麻・健民グラウンド入口 (揮毫者・犬養孝)
写真   


2011.12.16
場所  香芝市下田西・中央公民館 (揮毫者・未詳)
写真   

  
2012.4.15
大津皇子が、石川郎女に贈った歌とその返歌です。
石川郎女は草壁皇子の妻の一人であったらしく、
大津皇子が山で郎女を待つというのは、世を憚る関係であることを示しています。
郎女は何か事情があったのでしょう、約束の場所には行けなかった・・・。
冷たい雫に濡れながら待ち続けた大津をいたわっています。



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