笠金村 巻2-231
   
  高円の 野辺の秋萩 いたづらに
  咲きか散るらむ 見る人なしに
口訳   高円山の野に咲いている秋萩が、空しく咲いては散ってゆくことでしょうか。もう秋萩をご覧になる皇子様がいらっしゃらないので。
原文    
  高圓之 野邊秋芽子 徒
  開香将散 見人無尓  
場所  橿原市南浦町・万葉の森 (揮毫者・今井凌雪)
写真    
2011.3.6 
高円山は奈良の春日山と地獄谷を挟んで南方の462mの山。
聖武天皇の時代には、狩りが行われたり、季節の野遊びが行われていました。
笠金村は奈良時代中期の歌人で、役人としては下級だったようです。
志貴皇子亡き後の、野辺のむなしさを詠んでいます。
場所  奈良市白毫寺町・白毫寺境内 (揮毫者・犬養孝)
写真    

    

    




2022.6.30
白毫寺は萩の寺としてよく知られている。
志貴皇子の離宮もこのあたりにあったとされる。

訪れたのは6月だというのにあじさいに混じってちらほらと萩の花がさいていた。
お寺の人に聞いてもはじめてのことだという。
奇妙な気候になったものだ。

歌碑は、境内の右手、有名な五色椿の奥にたっている。



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