柿本人麿 巻3-264
   柿本朝臣人麿の近江国より上り来し時に、宇治河の辺(ほとり)に至りて作れる歌
  もののふの 八十氏河の 網代木に
  いさよふ波の 行く方知らずも
口訳   柿本朝臣人麿が近江の国から上って来た時に、宇治川の辺りまで来て作った歌
  宇治川の網代木にただよう川波はどこへ流れていくか行方が知れない。
原文    柿本朝臣人麿従近江國上来時、至宇治河邊作謌
  物乃部能 八十氏河乃 阿白木尓 不知代經浪乃 去邊白不母
場所  京都府宇治市宇治中の島・宇治公園橘島 (揮毫者・古谷蒼韻)
写真  

  
2021.1.9
「もののふ」上代では文武百官のこと。ここでは「八十」の枕詞。「八十」数が多いこと。
「宇冶川」琵琶湖から流れ出た瀬田川が京都府に入ってから木津川、桂川と合流して淀川になるまでの名。






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