弁基(春日老) 巻3-298
   弁基の歌
  亦打山(まつちやま) 夕越え行きて 廬前(いほさき)の
  角太川原(すみたかはら)に ひとりかも宿(ね)む
   右は或は云はく「弁基は春日蔵首老(かすがのくらのおびとおゆ)の法師の名なり」といへり。
口訳   真土山を夕暮れに越えて、紀伊国に入った。
  廬前の隅田の河原で独り寝をするのだろうか。
場所  和歌山県橋本市隅田町・JR隅田駅前 (揮毫者・未詳)
原文    弁基歌
  亦打山 暮越行而 廬前乃 角太川原尓 獨可毛将宿
   右或云、弁基者春日蔵首老之法師名也。
写真  
2011.11.26
持統天皇による紀伊国行幸の途上、一行が大和から真土峠を越え、河原で一夜を迎えたとき
作者が家にいる妻との共寝を思って独り寝の侘しさを詠った歌です。



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