小野老 巻3-328
   大宰少貳小野老朝臣の歌
  あをによし 寧楽の京師は 咲く華の
  薫ふがごとく 今盛りなり
口訳   奈良の都は咲く花が美しく照り映えるように、今が真っ盛りである。
原文    大宰少貳小野老朝臣歌
  青丹吉 寧楽乃京師者 咲花乃 薫如 今盛有
場所  奈良市西九条町・西九条緑地 (揮毫者・高田好胤(薬師寺管主))
写真  


2012.2.15
場所  福岡県太宰府市観世音寺・大宰府展示館付近 (揮毫者・犬養孝(国文学者))
写真  




2016.7.9
 奈良の盛時を礼讃した作として人々によく知られています。
 大宰府にあっての作と思われますが、小野老が少弐として天平元年の暮春の頃赴任してきたのを迎えて、歓迎の宴が催された時に
 「私の離京の頃は折しも春の盛りで、その離愁の目に映った奈良は、全くの花ざかりであった。
 と詠んだものと推定されます。

 「大宰少弐」は大宰府の次官のこと。
 神亀5(728)年頃、大宰少弐として小野老は大宰帥大伴旅人の配下にありました。
 天平9(737)年6月に大宰大弐、四位下で任地にて没。
 



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