笠女郎 巻4-608
   笠女郎、大伴宿禰家持に贈る歌
  相思はぬ 人を思ふは 大寺の
  餓鬼の後(しりへ)に 額(ぬか)づくがごと
口訳   互いに思い合わない人をこちらで思うのは、大きな寺の餓鬼の像を、それも後ろから拝むようなものです。
場所  奈良市西の京・がんこ一徹長屋 (揮毫者・松井玲月)
原文    笠女郎贈大伴宿禰家持歌
  不相念 人乎思者 大寺之 餓鬼之後尓 額衝如
写真  
2013.10.5
餓鬼とは仏教の六道の教えに基づいた仏像なので、
尊い仏さまではなく餓鬼道に堕ちた人間を像にしたもの。
それを後ろから拝むようなもので、
「あなたにどれだけ思いを寄せても、なんの意味もないことだ。」
といった恨みの念がこもっています。



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