河辺朝臣東人(かわへのあそみあずまひと) 巻8-1440、高田女王(たかたのおおきみ) 巻8-1444
   河辺朝臣東人の歌
  春雨の しくしく降るに 高円の
  山の桜は いかにかあるらむ

  高田女王(たかたのおほきみ)の歌 高安の女(むすめ)なり
  山吹の 咲きたる野辺の つほすみれ
  この春の雨に 盛りなりけり
口訳   春雨がしとしと降り続いているけれど、
  高円の山の桜はどうなっているだろうか。

  山吹の花が咲いている野辺に咲く壷菫。
  この春の雨に遇って花盛りになったことよ。
原文    河邊朝臣東人歌
  春雨乃 敷布零尓 高圓 山能櫻者 何如有良武

  高田女王歌 高安之女也
  山振之 咲有野邊乃 都保須美礼 此春之雨尓 盛奈里鶏利
場所  奈良市登美ヶ丘・松伯美術館 (揮毫者・上村松篁)
写真  
  
  
2020.1.8
松伯美術館での「万葉の世界展」にあわせていってきました。
美術館の人はたいへん親切で、歌碑のことを尋ねると解説文のコピーをしてくれました。
雨の日に行って、天気が良くなったものだから、美術館に傘を忘れて帰ってしまったのが思い出です。
翌日に電話をかけたあと、「傘立ての鍵を郵送します」とお詫びの手紙を送りました。
このあと井上靖さんの「額田女王」を読もうと決意したのはいうまでもありません(笑)



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