雄略天皇 巻9-1664 | |
泊瀬朝倉宮に天(あめ)の下(した)知らしめしし大泊瀬稚武天皇(おほはつせわかたけのすめらみこと)の御製歌(おほみうた) 夕(ゆふ)されば 小倉(をぐら)の山に 臥(ふ)す鹿(しか)の 今夜(こよひ)は鳴かず 寝(い)ねにけらしも 右は、或本に云はく「岡本天皇(をかもとのすめらみこと)の御製なり」といへり。 正指(せいし)を審(つばひ)らかにせず。これに因りて以ちて累(かさ)ねて載(の)す。 |
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口訳 | 夕暮れになると小倉の山に伏す鹿(しか)が、今夜は鳴かない。どうやら愛しい妻に逢えてもう寝てしまったようですね。 |
場所 | 桜井市脇本・春日神社東側 (揮毫者・平沢興) |
原文 | 泊瀬朝倉宮御宇大泊瀬幼武天皇御製歌 暮去者 小椋山尓 臥鹿之 今夜者不鳴 寐家良霜 |
写真 | 2011.11.30 |
舒明天皇を作者とする説もあります。 「小倉の山」には様々な説があり、一説には桜井市の今井谷あたりともいわれています。 万葉時代の人々は、妻を求めて鹿は鳴くと理解していたようです。 とすれば、鹿が鳴かないのを歌ったこの歌は、ああ、妻が見つかって共寝をしているんだろう。 よかったね、結婚相手が見つかって、という歌になります。 |
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