未詳 巻10-2244
   水田(こなた)に寄せたる
  住吉(すみのえ)の 岸を田に墾(は)り 蒔きし稲
  さて刈るまでに 逢はぬ君かも
口訳   住吉の、岸を田に耕して蒔いた稲を、こうして刈るまで、ずっとあなたに逢っていません。
  
原文    寄水田
  住吉之 岸乎田尓墾 蒔稲 乃而及苅 不相公鴨
場所  長野県千曲市上山田温泉・住吉公園 (揮毫者・山崎尚夫)
写真  


2013.4.21
長い間逢えないことを嘆く女の歌。
住吉(すみのえ)は現在の大阪府住吉区(すみよしく)、住吉海岸の崖の台地あたり。
「田に墾(は)り」は開墾すること。
住吉の上代の読み方が”すみのえ”、それ以降は”すみよし”。
この万葉歌碑は上山田温泉街に入る手前の住宅街の一角にある住吉公園に建っている2基の歌碑のひとつ。
このあたりはかつて住吉の地名があったところで、古代には稲作がさかんに行われていたところといわれている。



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