未詳 巻14-3403
   上野國の相聞往来の歌
  我が恋は まさかもかなし 草枕
  多胡の入野の 奥もかなしも
口訳   私の恋心は、今も愛しくてしかたがない。
  旅に出ていても、あの多胡の入野の奥にいた娘が愛しくてしかたがない。
場所  群馬県高崎市山名・高崎自然歩道山の上碑へとのぼる分かれ道 (揮毫者・手島右卿)
原文    上野國相聞往来歌
  安我古非波 麻左香毛可奈思 久佐麻久良
  多胡能伊利野乃 於久母可奈思母
写真 

 

 

 
2023.7.9
まさかも:現在の意味

「多胡」は上野の国の郡名。群馬県多野郡吉井町(現在は高崎市)付近

入野:一般に山間奥深くに入り込んだ野。
村落を離れていて、村の共有林。春に山菜取り、秋の実りなどを求めて、共同作業もあったらしい。
基本的に裕福な人は出入りしない。

草枕:旅に掛かる枕詞。旅を意味しているかもしれない。






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