大伴家持 巻19-4139
   天平勝宝二年三月一日の暮(ゆふへ)に、春の苑(その)の桃李(ももすもも)の花を眺矚(なが)めて作れる
  春の苑(その) 紅にほふ 桃の花
  下照る道に 出でたつ 少女(をとめ)
口訳   春の苑は桃の花で紅に輝いています。その下に立つ少女も輝いて見えます。
  
原文    天平勝宝二年三月一日之暮、眺矚春苑桃李花作
  春苑 紅尓保布 桃花 下照道尓 出立■(女へんに感)嬬
場所  長野県千曲市上山田温泉・住吉公園 (揮毫者・犬養孝)
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2013.4.21
題詞に、天平勝宝2年3月1日の夕暮れに、春の庭の桃と李の花を眺めて作った歌とあります。
少女とは、前年に越中に下向してきた家持の妻・坂上大嬢(さかのうへのおほいらつめ)を指しているようです。
場所  鹿児島県薩摩川内市中郷・万葉散歩道 (揮毫者・森貞朗)
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2020.2.17
薩摩川内市の歴史資料館の裏手の川筋に15基の万葉歌碑が建っており、そのうちのひとつです。
訪れた時には桃と梅の花だけが咲いていました。



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