未詳 巻20-4425
   昔年(さきつとし)の防人の歌
  防人に 行くは誰が背と 問ふ人を
  見るが羨(とも)しさ 物思ひもせず
口訳   防人に行くのはどなたのだんな様なのと
  何の悲しみもなく聞く人を見るとうらやましい
  わたしは自分の夫を行かせるのに
場所  大阪府吹田市津雲台・千里南公園 (揮毫者・未詳)
原文    昔年防人歌
  佐伎毛利尓 由久波多我世登 刀布比登乎 美流我登毛之佐 毛乃母比毛世受
写真    

  
2019.11.22
防人は、古代、唐・新羅の侵攻を防御するために、筑紫・対馬・壱岐に
3年交代で派遣された兵士。
天平2(730)年からは東国地方の者に限るようになった。
東国の兵士とその家族が詠んだ歌が防人歌で、万葉集の巻13・14・20に
約100首を収めている。
ことに巻20には孝謙天皇の天平勝宝7(755)年に召された
遠江国(静岡県)以東の国々の防人歌が84首も入っている。
これは兵部少輔として難波国(大阪)にあって防人事務を担当していた
大伴家持(養老元?〜延暦4年)の採録によるものである。



トップページへ