石川女郎 巻20-4491
   年月のいまだ詳らかならぬ歌
  大き海の 水底(みなそこ)深く 思ひつつ
  裳引(もび)きならしし 菅原の里
    右の一首は、藤原宿奈麿朝臣が妻石川女郎の、愛薄らぎ離別せらえ、悲しび恨みて作れる歌なり。
    年月いまだ詳らかならず。    
口訳   大きな海の底のように心の奥深く、あなたのことを思いながら、
  裳の裾を引きづって道が平らになるほど何度も行ったり来たりした、菅原の里よ。
場所  奈良市菅原町・喜光寺 (揮毫者・山田得治)
原文    年月未詳歌
  於保吉宇美能 美奈曽己布可久 於毛比都々 毛婢伎奈良之思 須我波良能佐刀
    右一首、藤原宿奈麿朝臣之妻石川女郎、薄愛離別、悲恨作歌也。年月未詳。
写真  

  


2012.3.7
菅原の里は、西大寺の南。喜光寺のあるあたり。

2014年の3月、はじめてこのお寺にお参りしました。
喜光寺は行基菩薩の創建。行基菩薩入寂の地でもあります。
東大寺の造営にあたり、このお寺の本堂を参考にされたという伝承から
「試みの大仏殿」として知られています。
「いろは写経」による勧進をすすめており、私も納めさせていただきました。



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