マラソンをはじめたころからこの大会があることは知っていたのですが
あまりに壮大な大会すぎて自分が参加するものとして実感がわかなかった「鯖街道」、
よくよく考えてみると、こつこつ続けてきたおかげで
最近はわりとフルマラソンでも自分なりに満足できる成績が残せてるし、
Aコース(福井県小浜から京都出町までの76キロ・本鯖と呼ばれている)にはまだまだですが
Bコース(Aコースのうち京都出町まで42キロ地点からゴールまで・半鯖と呼ばれている)ならなんとかいけそうに思うようになりました。
(Bコースの参加資格はフルマラソン5時間30分以内)
去年の萩往還(35kmの部)でも萩にゴールしてから市内観光してしまうくらい体力残ってたし
そういうわけで今年は「鯖街道ウルトラマラソン(Bコース)」に参加することにしました。
萩往還の時もちょっとどきどきでしたが、今回はそのアップダウンのえげつなさにどきどき度が倍増でした。
(いちばん高いところの標高が870mです)
大会の要領がふるってますのでそのまま写しときます。
「山岳地帯をコースとするため、携帯電話・無線機などの利用ができません。
無断で帰宅されますと捜査を警察に依頼するなど大騒動になりますから、絶対無断でコースを離れる事のないよう願います。
コースを離脱される時はスタッフに必ず届けてください。
責任逃れに誓約書の提出を求めたり、貴重品を預けないでとは言いませんが、マウンテンマラソンはその性格上、
一般の公道で開催されるマラソン大会と異なり参加者に対して十分なケアーを行えません。
ランニングのみの経験者で山岳走行が初めての方は、この点を事前によくご理解願います。
自分の行動に責任のとれる方の参加を前提に、この大会は成り立っていることをご理解願います。」
なんだかほっとする内容です。
あと、こんなことも書かれています。
「この大会は競技ではありません。」
最高やね。
ではまず、鯖街道とは何かについて。
ウィキペディアによると、このように書かれています。
鯖街道(さばかいどう)とは、
若狭国などの小浜藩領内(おおむね現在の嶺南に該当)と京都を結ぶ街道の総称であり歴史的名称である。
主に魚介類を京都へ運搬するための物流ルートとなっており、
その中でも特に鯖が多かったためこの名で呼ばれるようになった。
狭義では若狭街道(現在の福井県小浜市から京都市左京区(出町柳))を指し、
おおむね国道27号(小浜市 - 若狭町三宅)・国道303号(若狭町三宅 - 高島市今津町保坂)・国道367号(高島市今津町保坂 - 京都市左京区)にあたる。
なお、広義では現在の嶺南から京都を結んだ街道全てを鯖街道と呼ぶ。
鉄道や自動車が普及する以前の時代に、若狭湾で取れたサバを徒歩で京都に運んだ道であったことから、
このように呼ばれるようになったと言われている。
サバに塩をまぶして夜も寝ないで京都まで運ぶとちょうど良い塩加減になることから、
運ぶ人達は「京は遠ても十八里」と唄いながら寝ずに歩き通したと言われている。
こうして運ばれた塩漬けの鯖は京の一般庶民にまで喜ばれ、その到着が待ち望まれたとも言われている。
現在も小浜や国道367号沿線などには、鯖寿司の製造を生業とした店が多数存在する。
また、小浜市から京都市(左京区出町柳)までを当時のルートで走り通す「鯖街道マラソン」(距離:76km)が毎年開催されている。
ルートの大半が未舗装路であり、高低差が大きい。
小浜街道(根来・針畑ルート・今回私が走ったコース)について
小浜から遠敷川沿いを上り、根来坂峠・小入谷(現在の高島市朽木小入谷)から現在の滋賀県道783号を経て久多・花脊峠へ。
さらに鞍馬街道を経て京都へ至るルート。
小浜から京都への最短距離をとることから良く利用された。
昭和初期以降は利用が廃れたため根来坂峠が廃道となっていたが、近年になって観光や地域文化振興などの観点から登山道として整備されつつある。
説明図の写真とりました。
こんな感じです。
オレンジ+赤がフルコースであるAコース(本鯖コース・76km)
赤が私の参加したハーフコースであるBコース(半鯖コース・42km)です。
平面図ではアップダウンがわからんのが残念です。
さて、前振り長かったですがやっと完走記です。
当日は、朝6時7分に橿原を出て、丹波橋で京阪乗り換えで7時半に出町柳に到着。
さっそく受付を済ませました。
「本鯖」の人たちは小浜に前泊で、このときすでにスタートしています。
受付風景。おこしやすマラソンでおなじみの加茂大橋付近(8:10)
けっこうまったりモードで受付も誘導もされてます。
京福出町柳駅から移送バスに分乗してスタート地点の大津市梅ノ木まで、大原街道・若狭街道をゆられて行きました。
移動風景。250人なので補助席も使ってぎゅうぎゅうづめでした(8:35)
梅ノ木バス停(9:35)
スタート前に準備をしている皆さんをみていると
ツワモノぞろいのようでびびってきました。
自分はといえば、前年の萩往還の経験から
「42キロならリュックサックに詰める荷物など、ない。」
「靴は履きなれたのがいちばんなので、トレイル用の靴は、いらん。」
と、しっかり決心していました。
もちろんウエストポーチにはエネルギー補給用のゼリー、タブレット。
アミノバイタル(粉末)などいろいろ味が違うものをいれてたし
件のガスター10もすでに飲んでいましたが…。
あと、緊急用のお金。
自販機でモノ買ったり、最悪制限時間関門に引っかかった時に京福電車で撤収しないといけないルールだったので。
スタート前(9:50)photo by おのっちさん
さて、10時にゆる〜りと出発です。
自分は当然最後尾スタートと決めていましたので、
皆さんのスタートを見送ってから出発しました。
(山道コースで、後ろから来る人の道の邪魔になるのは嫌だけど、一人きりになって道に迷ってしまうのも怖いという複雑な気分でした)
スタート風景(10:00)
細い道、250人でスタートなのでみなさん最初は歩きです
道がアスファルトのうちはまだまだ楽勝(10:15)
しばらくアスファルト道を走って川合というところでAコースと合流(4km地点)。
元気よくはずんでいます
Aコースの人はゼッケンが黄色です。
(自分たちはピンク)
ゆるゆる走ってたおかげで最初のエイドである久多(7km地点)へは苦も無く到着しました。
標高385mとありました(10:35)
給食が豊富です。水、ポカリ、お茶、おにぎり、パン、バナナ、オレンジ、梅干、塩こぶなど
日差しが強いです
自分はマラソンではオレンジが好物です。
今回は、エイドに着くとまず梅干をかじり、お茶をのんで、オレンジで元気出して出発というパターンを心がけました。
このエイドでは特に「おにぎり2個以内」という制限がありましたが、
自分はまだスタートしたところだったし、1個しか食べませんでした。
最初のエイドを出発してすぐに道が地道にかわりました。
いきなりここから登山がはじまってしまいました。
いきなしそれらしい道しるべ(10:45)しかも距離表示なし!
道がぬかるんでいます。
女性の割合が高くなってきました。元気な女性が多い!
まだまだ登るど!
ひたすら登る!(10:50)
ひたすら登り続けることに不安を覚えはじめましたが
かといってもちろん引き返すこともできません。
ところどころ案内の標識がありますが、
やはり距離表示はありません。
こんな感じ
ま、久多から八丁平に向かっていることはわかりますが、
ちょっと励みにはしにくい道案内です。
途中、湧水で道がびちょびちょだったり、
倒木で道がふさがれていたりなど
たいへんな道中です。
靴はどろどろになってしまいました。
道がだんだん悪くなっていきます
上の方にみえる白いのんは九十九折りを登っているランナーです
こんなところをまたいで進む(11:00)
来た道(?)を振り返るとこんなんですわ
まだまだ続く〜
自分も歩いてましたよ。道がわからん
ふと我に返るとブナ林が美しかったです(11:15)
先頭行くのが怖いのですぐに人の後ろについてしまいます
それにしてもみなさん親切で
いろいろと話しかけてきてくれはります。
自分が「初サバ」であることを話すと、なおさらです。
コースのすばらしさとか、これまでのマラニック武勇伝などお話しながらしばらく一緒に歩きます。
ペースに差がでてくると、どちらからともなく
「お先にどうぞ」という言葉が出てくるし、すごくいい感じです。
もちろん、一人でぎりぎりの幅の山道をいきますので
追い抜いていく人も横から突然でなく
「抜かさせてもらいます〜」と声をかけてから追い抜いていかはります。
しんどかったですが、楽しい登り坂でした。
ありんこ行進は先頭の人のペース次第
それにしても坂がきつい!
頂上、オグロ坂峠というのだそうです。10.7km地点。標高870m(11:30)
峠を越えたところ。登山者はいっぷく中
峠を過ぎると、しばらく平坦が続きました。
ここが八丁平です。
歩きながらだとほとんど読めない道しるべ
道のあとがわからないよ。人のあとをついていってるからなんとかわかる
われながらよく足があがっています。長野マラソンの成果か?
右手にデジカメ。左手にはボトルに入れた水
たまに見つかる道しるべがすごくうれしい
湿原を抜けて林道に出ました。
しばらくは進みやすい道が続きました。
林道から少しひらけた道にでると尾越というエイドでした。
よみがなふって覚えさせてくれます
ここでは冷やし飴がおいしかった(11:50)
しばらくよい道が続いたような気がします。
追い抜いて行った人の後ろ姿がかっこよかった
わりと速攻で次のエイドに着きました。
大見エイドです。
18km地点です。(12:20)
ここではコーラがおいしかった。
あと、きゅうりの漬物もおいしかったです。
かゆい所に手の届いた給食で、うれしかったです。
ここではトイレ休憩もしました。
ここから次のエイドまでが長かったように思います。
ずーっと林道でした
けっこう歩きがはいったように思います。
日差しも強かったし、景色も単調なところが多かったように思ったです。
大ショックだったのはいまどきの世の中なのに
こんなにすばらしい歴史街道にテレビとかが廃棄されていることでした。
最高に驚いたのは軽トラックが街道の傍らにひっくりかえったままもう何年もたってるようで
赤茶けてさびついていたこと。
このあたりに住んでおられる人がやったことでないことは明らかなのですが
すごくさびしく感じました。
さて、やっとの思いで次のエイド、杉峠に到着しました。
22.8km地点です。標高850m(13:30)
やっと残り半分を超えたところになります。
秋のおこしやすマラソンでおなじみのエフランの方がおられました
ここのエイドは豆腐ソーメンで有名です。2つもらいました。
ここからはずーーーーっと下り坂が約7km続きました。
しかも強烈なのん。
記録のために写真を撮っておきたい気もしましたが
同じペースでいかないと
ここでペースを変えて足がつってしまったら悲惨なことになってしまいます。
ゆるやかながら同じペースでちゃくちゃくと坂道を下って行きました。
ちなみに次のエイド、鞍馬駅の標高は275mなので
一気に600mの標高差をかけおりたことになります。
鞍馬寺(14:10)
29.5km地点です。関門閉鎖は16:10。田舎みそ仕立ての味噌汁(冷)がおいしかった
ちょっと鞍馬駅前の天狗さんをば
ここからあと12kmあったのですが、
この残り12kmが単調でつらかったです。
市街地に近づいてきたので道の感じも知ってるし
賀茂川筋におりるともっと単調になることもわかってたのでモチベーション↓↓↓でした。
鞍馬海道走行中
理解できる道路案内がでてきてほっとします
新緑がきれいだけど、けっこう心も身体もへたってきました(14:30)
33km地点、市原エイドに到着したのは14:45(関門閉鎖は16:30)
住宅に設置されたエイドでした
藤がきれいでした
こんな感じの道がきつかったです
たまに川をのぞいてました
やっとこさ市街地ぽいところにでてきましたが
この時点ではもうほとんど歩き状態でした。
京都産業大学を過ぎるあたりの自販機でコーラを買って飲みました。
うまかったです。
MKボウルの手前、賀茂川に沿って走って(歩いて)いるところで、
信号待ちしている馬(!)にあいました。
信号が青になると側道をぽっくりぽっくり歩いてきます。
面白かったので写真とりました。
このひとです
車やバイクとも共存してます
大学の馬術部の馬かしらん(?)と思ったりもしましたが
もう少しすすむと馬房がありました。
映画撮影用の馬専門の馬小屋のようでした。
どうりで馬体も毛並みも美しかったわけだ。
MKボウルの前で賀茂川河川敷におりました。
あとは川沿いをひたすら加茂大橋まで下るだけです。
最後のエイド、西加茂橋南。あと5kmというのは正しいが梅ノ木からほんとは37kmです(15:30)
エイドの人が写真とってくれたッス。プチトマトがおいしかった
ここからあとは秋に参加している「京都鴨川おこしやすマラソン」と同じコースです。
身体のへたりはハンパではなかったですが
いつもの景色をながめながらぽつぽつといきました。
スタッフの方が
「橋、あと5つでゴールやで!」とか言ってくださいますが
橋1こ1この間が遠いのでぜんぜん励みになりません。
それでも一緒に走っている人とお話しながら
すすんでいきました。
あと100mくらいのところでだったか
ゼッケンナンバーを確認している人がいました。
「何なんだろう?」と思いながら最後の力を振り絞ってゴールをめざしてたら
ゴール前で
「奈良からお越しのオオタさ〜ん!おめでとうございます」
とコールされました。
感激ひとしおで、うるうるしながらのゴールになってしまいました。
ゴール直前
やったざんす〜!!
くどいですが「やったざんす〜!!」
走り終わってすぐは「もうこんなきついコースいやっ!」とか思うくらいまいっていましたが
それぐらい充実感、達成感があったのも確かで
1週間ほどふとももの前がつっぱっていましたが
また走ってしまうかもしれません。
走ったことがない人にはおすすめです。
非常に雰囲気のよい大会です。
完走後風景
完走タオルとともに
完走賞の焼き鯖。絶品でした。ふたばの豆餅はスタート前に買ったもの
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